2012/11/12

国際郵便:印刷物 / Printed Matter





以前に大まかに国際郵便の全体をまとめてみましたが、今回は印刷物(英 Printed Matter /仏 Imprimé)として海外へ発送する方法をまとめます。










国際郵便における郵便物の区分けとして、EMS郵便物、小包郵便物、通常郵便物があります。印刷物という種類は、国際郵便の通常郵便物のカテゴリの中の1つになります。



通常郵便物・・・・EMS郵便物と小包郵便物をのぞいた、手紙、はがき、印刷物、小形包装物などの郵便物を指します。


日本郵便 - 印刷物
https://www.post.japanpost.jp/int/service/printed_matter.html



書籍やカタログや資料などは、もちろん小形包装物、手紙の定形外郵便(書類等)、EMS、国際小包でも送れます。


印刷物は安いのか?



ほとんどの場合、印刷物と指定して送る理由は料金だと思います。
印刷物のページによると定形外として送るよりもお得と謳っていますが、他の方法と比較して安いのでしょうか?


例えば、雑誌四冊をアメリカに送るとします。重量は1,800g 梱包して2kgとします。

印刷物と定形外の他に、小形包装物と国際eパケットと国際eパケットライト、EMS、国際小包が使えます。


ちなみにeパケットはインターネットを使いマイページに登録する必要があります。

eパケット・・・航空便に書留がついた、インターネット限定の割引サービス。追跡番号がついて、補償も6000円までつきます。

eパケットライト・・・SAL便に特定記録(追跡サービス)がついた、インターネット限定の割引サービス。追跡番号つき、補償なし。


eパケット https://www.post.japanpost.jp/int/service/epacket.html

eパケットライト https://www.post.japanpost.jp/int/service/epacketlight.html




雑誌 梱包後2kg アメリカ宛 

  • 印刷物  - 航空便の場合 2760円 SAL便の場合 2080円
  • 小形包装物  - 航空便の場合 2760円 SAL便の場合 2080円
  • eパケット  - 航空便 3065円 追跡・補償あり(6000円)
  • eパケットライト -SAL便 2400円 追跡・補償なし
  • EMS        - 4500円 追跡・補償あり
  • 国際小包   - 5050円 追跡・補償あり
  • ヤマト運輸国際宅急便 60サイズ2kgまで - 2750円 追跡・補償あり

  • 到着日数が一番早いのはEMSとヤマトです。アメリカだと5日程度で着きます。
  • 航空便の国際小包と印刷物と小形包装物、eパケットは7日から14日程度です。 
  • SAL便の国際小包と印刷物と小形包装物、eパケットライトは3週間から1ヶ月です。


もし梱包する雑誌が、B4サイズ以内で1kgまでなら、ヤマトの書類パックが使えます。1200円と大変安いです。

ヤマト運輸 国際宅急便国別ガイド - アメリカ合衆国
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0020&SEARCH_ID=01&LAND_CD=US



ご覧の通り、印刷物と小形包装物の料金は同じです。

では何が違うのかというと、小形包装物(eパケット・eパケットライト含む)は2kgまでしか送れませんが、印刷物として送ると、通常郵便物なのに5kgまで送れます。


5kg 北米宛で比較


  • 印刷物         - 航空便 5460円     SAL便  5080円 共に追跡・補償なし
  • EMS               -    8700円 追跡・補償あり 最速4日
  • ヤマト運輸 国際宅急便 5kg 80サイズ    - 4650円 最速4日 追跡・補償あり
  • 国際小包                   - 10150円 追跡・補償あり


すでにお気づきかもしれませんが、スピード・追跡サービスを含めたトータルで見た場合、たいしてお得ではないというのが実情です。

海外に荷物を送るのに、追跡番号が無いと紛失の調査すらできません。なので私は追跡番号をつけるか、あらかじめ付いているサービスを強くおすすめしています。


印刷物を送るのであれば、アメリカやイギリスであれば、追跡サービス・スピードの面で見てもヤマトの方がお得です。




印刷物詳細





まず印刷物というと、何かが印刷してあるものなら何でもいいかと言うとそういうわけではありません。送れるもの、送れないものがしっかり指定されています。

日本郵便のサイトを参考にすると、"紙に印刷されたもの"というのがほとんどだと考えてよいでしょう。

送れるもの

  • 書籍(本・雑誌・小冊子・パンフレット)
  • 定期刊行物(本・雑誌・新聞・カタログ、etc.)
  • ダイレクトメール
  • 業務用書類2部以上
  • フォトコピー
  • ポスター
  • コンピューター印字機またはタイプライターによるプリントであって、2部以上同時に差し出されるもの
  • 布地に印刷したもの(クリスマスカード・カレンダー)
  • 手帳・日記帳(ただし、記入を目的としないページの印刷部分が、表紙・裏表紙を含めて全体の半分以上のもの)
  • 用紙類(ただし、各種の調査用紙、申請用紙や報告用して書き込みのないもの)
  • 遊技用カード(トランプなど)・・・プラスチック製も可
  • メロディー付クリスマスカードなど

送れないもの


  1. パソコン、タイプライターやワープロで作成した書類ただし、2部以上同時に出される場合、2部以上複写したものは可
  2. 敷き写しで作成した写し、手書きした写し
  3. 印判で作成した複写物
  4. フィルム、録音または録画したもの
  5. せん孔した紙テープや情報を構成することがあるせん孔、線または記号を有する情報処理装置用カード
  6. 薬・化粧品の箱等
  7. 印判を押印したもの



と意外と複雑な括りですが、基本的に紙(布地も含む)に印刷されたものととらえて、その中から送れないものを除外したものととらえれば理解し易いのではないでしょうか。


送れないものに注目してみましょう。

1237は「印刷物としてではなく、同じ通常郵便物内の手紙(信書)として送ってください」と言う風に読めます。これらを認めてしまうと手紙(信書)というカテゴリが不必要になってしまいますからね

ちなみに手紙(信書)はSAL便では送れません。船便・航空便・EMSに限られます。

45は、おそらく、機能から見てCDやDVDといった種類のものと見なすので印刷物ではないとのことなのでしょう。

6はよくわかりませんが、薬・化粧品ということになにか意味があるのでしょうか?


以前、電話で日本郵便のお客様センターに電話で「雑誌についている付録のCDやDVDが付属していても送れますか?」と聞きましたが、おそらく送れると思うが郵便局で確認してくださいとの回答でした。

おそらく郵便局の窓口の人でもわからないと思いますが、その場合は郵便局を通して調査してくれということですか?」と確認したら「そうです」との回答を頂きました。

そんなにマニアックな質問ではないと思いますが、お客様センターで教えてもらえることは日本郵便のホームページで調べられることに限られているという印象です。



サイズ・重量


国よって若干サイズが異なりますが

最大: 長さ+幅+厚さ=90センチ ※長さの最大は60センチまで(許容範囲+2mm)
最小: 長さ14センチ 幅9センチ (許容範囲+2mm)

巻物の場合


最大: 長さ+直径の二倍=104センチまで ※長さの最大は90センチ (許容範囲+2mm)
最小: 長さ+直径の二倍=17センチ ※長さの最小は10センチ (許容範囲+2mm)



重さの制限

5kg

注意

  • カナダ宛の印刷物は2kgまで
  • アイルランド宛の書籍以外の印刷物は2kgまで






次に条件と注意点を見てみましょう。


1. あて先等は、郵便物の表面に直接記入してください。 印刷物は、手紙やはがきなどと同じ通常印刷物ですので、記録扱いされません。記録が必要な場合は、書留・受取通知のオプションサービスをご利用ください。


2. 郵便物の名あて面の左上部(差出人の住所・氏名が記載されている場合はその下部)に「Printed Matter (またはImprimé)」(印刷物の意)と表示していただきます。

3. 印刷物を包装する際は、開封して内容物を確認できることが必要となります。



それぞれ読んで意訳すると、

1は、追跡や記録が残らない。なので必要ならオプションでつけてね。

2は、包装後に宛先が書いてある部分の左上(左上部分に差出人の住所等が書いてある場合はその下に)英語でPrinted Matter 或いは 仏語でImpriméと書いてね。(日本語は厳禁)

3は、印刷物として送る場合は中が確認できるために、包装後、封をしないでね。

と読めます。


とまあそれだけのことですが、ここから先が重要です。


3についてですが、書籍に限り、"BOOK ONLY"と記載することで密封が可能です。

その他の包装の仕方はこちらが参考になります。
印刷物の包装の仕方:日本郵便




次に実際に宛名等の書き方をまとめます。


オプションで書留をつける場合は書留専用ラベルが使えます。


こちらの記事も参考に

国際郵便の宛名・ラベル記入方法


海外への荷物・書類の発送方法の概要


余談ですが、私は海外へ追跡できない方法で発送することはしませんので、印刷物を送る時は大体このラベルを使用しています。(ラベルを使わず直書きでも書留として送れます。後述)

今ではマイページサービスを主に使っています。 2019年3月 追記



窓口で「国際郵便の書留ラベルをください!!!」と言うと、もらえます。

ちなみにこのラベルだけは、EMSや小包ラベルと違って、「ご自由にお持ち下さい」の所においてありません。



印刷物にチェック。


後は太枠内の必要事項を記入するだけです。送る内容が書籍の場合、密封して送りたい場合は目立つ位置にBOOK ONLYと記載しましょう。



直書きする場合





書き方はこのようになります。その他の通常郵便物や荷物もこのようになります。

注意すべき点は記載する言語は英語で記入する点がまず1つ。



印刷物であることを表すPrinted Matter(差出人の下) 密封する場合はBook onlyと書くのを忘れずに。書留オプションをつける場合はRegistered と書いておく。
(窓口で書留にしたいと言えばハンコを押し、追跡番号の着いたシールを貼ってくれます)






ちなみに直書きで書留にすると宛先・差出人の住所をスキャンした控えをくれます。












必要書類等

送る印刷物が課税される可能性がある場合は税関告知書が必要になります(CN22もしくはCN23 300SDR以上はCN23)が必要になります。

まず課税される可能性がある場合とは、送る物品が商品の場合です。アマゾンやebayなどで販売したものは商品です。ギフトで送れば非課税ですが、違法です。

またギフトや個人使用目的でも、高価なものの場合は課税されます。これは国ごと・検査人ごとに変わるようです。

例えば日本でも、ギフトや個人使用目的でも1万円以上の場合、消費税や関税(関税適用の物品の場合)がかかります。

ちなみに私はけっこう輸入をしていますが、1万円ほどのものを輸入して消費税の請求が来たことはまだありません。二、三万を越えるとしばしば課税されています。

EU圏へ送る場合、数千円でも課税された場合がありましたので、ヨーロッパに送る際は必ず付けた方が無難です。EUは、アメリカと比べると非常に厳格です。

アメリカ、オーストラリアは、比較的、税関検査が緩いように感じますが、私としては貼り付けておくことをおすすめします。書いて貼るだけですから。


税関で、書類不足によって保管されると面倒です。相手にEmailで、ファイルを貼り付けて送ることになります。そして相手に税関に提出してもらう必要があります。

たとえ送る物品が数千円で、ギフトでも、下の画像のCN22を書いて貼り付けておけば無難です。






書留ラベルで送る場合は、CN22がラベルに付いており必ず記載するようになっているのでCN22のシールを特別貼る必要はありません。


3、4万円以上の高額な書籍であれば、CN23やインボイスを必ずつけておきましょう。CN22だけだと税関で止まる可能性が高いです。

参考

海外への荷物・書類の発送方法の概要

国際郵便のラベルの記入方法