2019/02/26

海外への荷物・書類の発送方法の概要 (国際郵便)





海外への荷物・書類の発送方法の種類と注意点をまとめます。







郵便局のウェブサイトでも丁寧な解説ページが用意されているのですが、リンクがわかりやすく配置されておらず、ウェブサイト上からそれぞれのページにたどりつくことが非常に困難です。いちいちグーグル検索でたどりつくといった感じです。


そこで概要をつかめる記事を書くことにしました。その都度、詳細についてリンク先を紹介しておりますが、一旦、そのセクションを読み終えてから飛んだ方がわかりやすいかもしれません。


※ここでは、一般の人が海外へ荷物を送る場合を想定しています。自動車・バイク、超高級美術品、研究機器、生き物(魚・動物)、等の特殊なものは扱いません。知りたい場合は専門業者に相談しましょう。


発送までの手順としては以下の段取りになります。

  1. 何を送りたいか?(送るものの内容、梱包後の大きさ、重量)
  2. どこへ送りたいか?(送り先の国・地域)
  3. 輸送会社を選ぶ(郵便局 or 民間宅配業社;クーリエサービス)
  4. 発送のモードを選ぶ(船便・SAL便・航空便)
  5. 発送方法を選ぶ。所要日数・料金を考慮
  6. オプションの選択 
  7. 梱包
  8. 持ち込み or 集荷

送りたい物品はなにか?

送る物品が、発送できない品目に該当しないかを確認します。

国ごとに送れないものが異なりますが、各国共通して国際航空運送協会(IATA)の「危険物に関する規則」が対象とするものは、郵便物の種類(通常郵便物、小包郵便物、EMS)および輸送方法(航空便、SAL便、船便)に関わらず送ることができません。

注意点としては、該当するものは、船便でも送れないということです。


主な航空危険物の品目 ※日本郵政の資料を参照
  1. 火薬類 - 花火、クラッカー、弾薬
  2. 高圧ガス- スプレー缶、ボンベ、カセットコンロ用ガス、消化器、キャンプ用ガス
  3. 引火性液体 - 香水、燃料、マニキュア、塗料、アルコール飲料
  4. 可燃性物質類 - マッチ、炭
  5. 酸化性物質類 - 小型酸素発生器、過酸化物、漂白剤
  6. 毒物類   - 殺虫剤、農薬
  7. 放射性物質
  8. 腐食性物質   - 液体バッテリー、水銀
  9. その他    - 電子タバコ、モバイルバッテリー(単体)、リチウム電池(単体)、エンジン、他に、ドライアイス、アスペスト、人に不快感を与えるような麻酔性、有毒性をもった物質。

また、国宝や重要文化財に該当する美術品等は、輸出禁止です。

日本刀を輸出する場合は、文化庁へ銃砲刀剣類登録証のコピーや、写真等を送り、重要文化財でないことの承認を得て、許可証を得る必要があります。

他に気をつけるものとして、ポルノ、薬、偽物等は、航空危険物には該当しませんが、送り先の国の法律に左右されます。

日本のアニメが海外でも需要がありますが、アニメーションの内容が、送り先の国によっては児童ポルノの扱いを受けてしまうものもあります。受取人が処罰されるだけでなく、場合によっては発送にしたあなたにも罰則やブラックリスト入りしてしまう恐れがあることを理解しましょう。


国際郵便、国際宅配便で送れないものの詳しい情報




ペットの輸出入 動物検疫所 - 農林水産省
http://www.maff.go.jp/aqs/animal/






信書の同封について

EMS、国際小包は信書(手紙)が同封できます!

ちなみに小形包装物はできません。


断られることがあるかもしれませんが、窓口の方が国内のゆうパックを念頭に、荷物には手紙が同封できないと思い込んでいる可能性があります。ゆうパックが信書の同封ができません。郵便法違反です。

しかし、

EMS、国際小包には手紙が同封できます!

たしかに相手の立場になれば混同やむなしと思わないわけでもありませんので、スマホ等でやんわり上の参考ページを見せて納得してもらいましょう。


リチウム電池およびリチウム電池内臓機器の発送について

リチウム電池はある条件を満たすことで輸出することができます。

こちらの記事に書きましたのでそれを参照ください。


リチウム電池の海外発送について



※ちなみに、航空危険物に該当するものでも全く送れないわけではありません。ものによっては、ちゃんとした手続きを踏むことによって送ることできる場合があります。






どこの国へ送りたいか?

郵便局の場合:
国別情報;https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/index_ja.php

発送する国の情報を事前に調べておきましょう。

国によっては送ることのできるサイズ・重量が変わる場合があります。また、送ることのできない品目や添付する書類、例えば、税関告知書の種類(CN22, CN23)やその枚数、インボイス(送り状)の枚数が変わってきます。


枚数が足りない場合、向こうでコピーしてくれるかどうかは検査人次第ですが、足りないと判断された場合、返送されるか、受取人へ税関から連絡がいき、提出を求められることがあります。

その場合、別に受取人宛てに税関用の書類だけ送る必要や、Eメールにファイル添付して送る必要が出てきます。


また、国によっては追跡番号をつけても、国外を出ると追跡ができない国があります。 
例;オーストラリアの書留航空便は追跡ができません。EMSは追跡できます。




クーリエサービス:


ヤマト運輸:国際宅急便国別ガイド
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/Main?LINK=WT

DHL: 各国のカントリープロファイル(右上)
電話で尋ねた方が速いかもしれません。
http://www.dhl.co.jp/ja/country_profile.html


FedEx: カスタマーサポート
https://www.fedex.com/ja-jp/customer-support.html


個人の場合、ヤマトや佐川は、発送可能な国であっても、その国の一部地域にしか発送できない場合がほとんどです。

また、発送可能でも、法人宛てのみで、個人宛ては取り扱っていない場合があります。また、受け取り先の電話番号が必ず必要になります。


ヤマトの場合、発送可能な地域なのかは、電話でカスタマーサービスに、送り先の住所の郵便番号を伝えることで、確認することができます。


佐川の国際宅配便を個人で利用する場合、発送可能地域は、韓国・台湾・香港・シンガポール・アメリカ・EU加盟国ですが、荷物の内容次第で送れない場合があります。

ヤマト国際宅急便サービスセンター
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/business/send/services/oversea/
佐川国際宅配便
http://www.sagawa-exp.co.jp/service/h-kokusai/


※佐川は、個人で国際発送する場合、補償額、発送地域、料金を鑑みた場合、佐川でしか送れないという場合以外は(そういう場合は思いつきませんが)おすすめできません。


海外発送をするために利用できる会社

  • 郵便局  - 多くの方が郵便局で、郵便物として海外発送することが多いのではないでしょうか。個人間の海外発送をほぼ独占してます。

  • ヤマト運輸、佐川急便、 DHL、FedEx、等の宅配事業社
クーリエサービスとも呼ばれる) 
 送りたい物品と重量、送り先の国によってはこっちの方が安くなる場合がありますが、送れないものが郵便局に比べて多いです。ちなみにヤマトでは刃物は送れません。ハサミすら送れません。

ちなみに日通等、他にも業者がいますが、送り主(荷送人)が法人でないと受け付けてくれないところがほとんどです。

郵便局とクーリエサービスの違いはなんでしょうか。

まず郵便物か荷物なのかということです。荷物とは、信書以外のものと理解して問題ないと思います。
  • 信書(手紙、請求書、証明書、許可証等)はクーリエサービスでは送れません。
  • 別送品は、ヤマトの場合国際宅急便別送品を使う必要がある。通常の宅配便では不可。佐川も不可。
  • ちなみに日本の郵便局で別送品を送る場合は、別送品(Unaccompanied Baggage)と書きます。そして自分が帰国・入国時に、別送品申告書に確認印をもらい、荷物が届いた時にその種類を提出する必要があります。居住している国のガイドを参照してください
※別送品・・・自分宛の国際荷物 例えば、スーツケースに入らない、身の回り品・土産品などの荷物。申告金額が20万円以下は免税になる。酒たばこ等は別に計算。商業目的の利用は不可。

郵便局では、クーリエサービスでは送れないものが送れる。
  • ヤマトでは刃物が送れない。
  • 郵便局では美術品としての日本刀に限り(武器は禁止!)、海外へ送れるが、ヤマト、DHL、佐川は送れない。FedEx  では送れるがかけられる保険の額が低い
  • 武器と判断されてしまうようなナイフ類は微妙です。
  • 食品関係は、佐川は受け付けない。ヤマトは米国は現在取り扱い禁止、他の国もほぼ禁止です。
  • ヤマト、佐川ともに、リチウム電池単体や内蔵にかかわらず送ることができない。

※信書とは - 法律の定義では、「特定の受け取り人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と郵便法および信書便法に規定されています。
具体例として、
  • 書状 - お手紙ですね
  • 請求書の類 - 納品書、領収書、願書、見積書、申込書、申請書、申告書、依頼書、契約書、紹介書、回答書、承諾書、レセプト、推薦書、注文書、通知書、確定申告書、給与明細 - 事実や意思を表示する文書ですね。
  • 証明書
  • 許可証 -免許証、許可証、表彰状、カード形式のものも含む
  • ダイレクトメール - 文書自体に受取人が記載されている文書、商品んお購入等利用関係、契約関係等特定の受取人に差し出す趣旨が明らかな文言が記載されている文書。
さらに詳しくは、総務省の信書のガイドラインをご覧ください。
総務省-信書のガイドライン  http://www.soumu.go.jp/yusei/shinsho_guide.html
※郵便事業の信書便に関して、民間企業の参入が認められたのですが、参入する業者がいなかったのですね。要件が厳しいらしく、全国にポストを10万本(!)設置しなければならないらしいです。。。




もう一つの大きな違いとしては、通関業務です 。(税関での課税や輸入可能な物品かどうかの検査)


クーリエサービスの場合の通関業務は、税関にて、クーリエサービス会社が申告手続きを代行します。

到着前に内容を電子化してすでに申告していて、小額貨物は到着と同時に許可が下りるマニフェスト通関です。


郵便局で輸出した場合

(※国際郵便は、個人の利用が多いことから、国際郵便交換局内の税関の出張所にて税関職員が通関検査をします。20万円以下の輸入貨物の場合、簡易的な検査で通関されます。20万円以上の輸出入は、通関委任状が必要になります。また、手数料もかかります。郵便通関です。)

※ちなみに簡易通関では、簡易的な検査、抜き取り検査なので、課税されたりされなかったりといったことが起こりますが、クーリエサービスでは必ず課税されます。これは輸入する場合も同様です。DHL、UPS (国内はヤマトが配達)やFedExで発送されると必ず支払いますが、各国の郵便事業者、例えばイギリスのロイヤルメールやアメリカのUSPSで発送してもらうと、税金がかからない時があります。

クーリエサービスでは、関税の送り主払いができます。

郵便は、受取人が払います。
(発送人が払うことができることは、高額なものをギフトとして送る際に便利。知り合いに誕生日プレゼントを送ったのに、受け取る側が、高額な税金を払う羽目になると迷惑ですよね。ヨーロッパ宛てでギフトとして送ったが、高額な税金を払わされそうになり、受取拒否した例も聞いたことがあります。)

発送方法・発送モードを選ぶ 

発送モードとは輸送手段の違いです。航空便か、船便か、その中間のSAL便の3つのことです。

クーリエサービスは航空便のみです。※海外引っ越しサービスを除く


郵便局の場合、送りたいものが書類ではない限り、使える発送手段は、小形包装物・国際小包・EMSに限られます。
※ちなみに日本は島国のため、陸路を使った国際輸送がありませんね。イギリスはトンネルがドーバー海峡の下を通っているので陸路が使えます。逆に内陸国は、船便がありません。しかし国際河川を使った輸送がある場合はこの限りではありません。

国際郵便サービス比較表
さまざまなサービスがあるので、迷われるかもしれません。日本郵便の以下のサイトのフローチャートが参考になるかもしれません。
https://www.post.japanpost.jp/int/service/compare.html

EMS

EMS概要
https://www.post.japanpost.jp/int/ems/index.html
EMS料金表
https://www.post.japanpost.jp/int/charge/list/ems_all.html


一部地域に対しては、冷蔵輸送もやってます!
クールEMS https://www.post.japanpost.jp/int/ems/cool/index.html

発送可能なサイズ
こちらのリンクで、個別の国のEMSの規定のサイズが調べられます。
https://www.post.japanpost.jp/int/ems/size/

国ごとに最大の大きさや重量は変わってきますが、大体が以下の通りです。
  • 最大の長辺が1.5m かつ 縦+横+高さの合計が3m以内 
  • 米国は 最大の長辺が1.5m かつ 縦+横+高さの合計が2.75m以内 
  • 最大の長辺が1.05m かつ 縦+横+高さの合計が3m以内 あるいは 2m 以内。 
  • 重量は多くの国が、30kgまで、一部の国が20kg です。

損害賠償金額
EMSは、2万円までの保険がすでに付いています。2万円以降、賠償額2万円刻みで、50円を払うごとに保険が付けられます。


最大で200万円まで保険が付けられます。その場合の追加料金は4950円になります。


荷物が遅延や紛失、損傷した場合、EMS は専用の調査依頼書(inquiry ;インクワイアリー)で調査・照会するため、書留や小包の調査より、早く調査してくれます。
個人が利用する郵便局の国際郵便のサービスのなかで、スピード・補償・ケアの点でトップクラスのサービスです。

私の経験では、カナダ・アメリカ・オーストラリア・ドイツ・香港・中国宛てのEMSは、早く、安心して発送できます。


公称では2日から4日とありますが、経験上、米国宛ての最速が4日です。カナダ・オーストラリアだと5日から10日の間。ドイツだと5日から2週間。


フランス、イギリス、スペインの場合は、遅いことが非常に多いです。また紛失もしばしばあります。


上記三ヶ国で遅くなる原因として考えられるのは、EMSの場合、現地の民間の宅配業者に引き渡され、彼らが配達するようですが、引き渡しの際に、紛失や遅延、税関の送れが発生しているように思われます。

イギリス
イギリスだと、Parcel Force ( パーセルフォース) という会社に引き渡されるみたいですが、比較的紛失が多いです。(高い料金を払ったのに。。。)また遅延はよくあることだと思ってください。

フランス
フランスだと、ChronoPost (クロノポスト) が引き継ぐようですが、こちらもまあまあ評判が悪いです。個人的にはパーセルフォースよりはましです。

通関時のトラブル報告が多いと聞きますので、必ず、税関告知書 (CN23)とインボイスは規定枚数を添付しましょう。わからなければ、税関告知書3枚、インボイス3枚の計6枚でバッチリです。

スペイン
スペインは、別の会社に引き渡しはないようですが、EMSの場合、確実に遅くなります。

それは、内容品の金額が22ユーロを超える場合、倉庫に保管され、受取人に対して、必要な情報の提出が要求されるからです。

EMSで送ったのに1ヶ月かかって、税金もたくさんとられたという連絡がしばしばあります。

ちなみに小形包装物に書留をつけて送ると、7日から10日以内で配達されることが多いです。小形包装物のサイズで収まり、賠償額の6000円以下の荷物なら、小形包装物+書留、あるいは、eパケットを強くおすすめします。
(スペイン宛てに3万円ほどの機材の発送をしたことがありますが、サイズは小形だったのでeパケットで送りました。もちろん、紛失時は、損を丸かぶりですが。。。)


個人的には、小形包装物のサイズで収まるなら、小形包装物に書留をつけてイギリス・フランス・スペインで送ることを、強くおすすめします。


郵便局の国際郵便マイページサービスに登録して、eパケットで送るとお得です。スムーズだと7日以内に配達されます。


国際郵便マイページサービス
https://www.post.japanpost.jp/intmypage/whatsmypage.html

もしサイズが小形包装物に収まらない場合は、スペイン・フランス・イギリスの場合はヤマトの国際宅急便の利用を強くおすすめします。(同じ高い料金を払うなら確実に速く届いてですからね)
ただ、ヤマトでは郵便局と比べて、送ることができない物品が多いので上記の説明を参考に、調べてください。

また、ヤマトの場合、全地域には配達していません。しかし、主要都市はカバーしています。
ヤマトのウェブで記載されている配達可能地域は、以下のリンクを参照してください。カスタマーサービスセンターへ直接電話をして、送りたい国を伝え、「配達可能地域か知りたいので、郵便番号を言うので調べてもらえますか?」と伝えるとスムーズです。


国際宅急便サービスセンター   - 0120-5931-69

イギリス
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0050&SEARCH_ID=04&LAND_CD=GB
フランス
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0050&SEARCH_ID=04&LAND_CD=FR
スペイン
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/KokusaiTakkyubin?ACTID=J_RKWTJS0050&SEARCH_ID=04&LAND_CD=ES


航空便  Airmail

料金表
https://www.post.japanpost.jp/int/charge/list/index.html

  • 手紙・書類・荷物すべて可能
  • 飛行機で輸送し、空港に到着後、陸路で発送されます。
  • 料金は高いが、早く着きます。
  • ちなみにEMS・クーリエサービスもジャンルとしては航空便
EMSだと、米国・カナダだと4日から10日です。ヨーロッパだと少し

SAL便 

(エコノミー航空便) Surface Air Lifted の頭文字
料金表
https://www.post.japanpost.jp/int/charge/list/index.html
  • 航空輸送する平面路郵便物。陸路は船便扱い、国と国の間は、航空便。
  • 航空機の空きスペースを利用のため、タイミングが合えば早い。
  • 船便より早く、航空便より遅い
  • 船便より高く、航空便より安い
  • 印刷物・小形包装物・国際小包だけ利用可能
  • 同時に10個以上で10%割引、50個以上で20%割引
ちなみに国際eパケットは、書留付き小形包装物のお得版ですが、国際eパケットライトは、小形包装物の追跡サービス付き版です。手渡し・受領印は無く、ポスト投函です。

国際eパケットライト
https://www.post.japanpost.jp/int/service/epacketlight.html


船便  Seamail

料金表
https://www.post.japanpost.jp/int/charge/list/index.html
  • 遅い!
  • 安い!
  • 荷物の扱いが雑の場合が多いようです。
  • グリーティングカードとDメール・Pメール以外対応

郵便局のウェブには、1ヶ月から3ヶ月とのことですが、私の感覚では、トラブルがないとして2ヶ月から4ヶ月ほどかかります。私はほぼ船便は利用しません。



郵便物の種類と荷物

海外発送における郵便物とは、EMS郵便物と通常郵便物と小包郵便物に分かれます。

※郵便為替(Postal Order)も郵便物の一つですが、こちらは海外送金関係の記事で扱います。


それぞれの発送方法にはサイズの限度があります。また補償の限度額、スピードの違いがあります。希望する条件をリストアップして、その条件の組み合わせで選べる発送可能が決まってきます。

通常郵便物


  • 手紙(書状)・はがき − 信書ですね。
  • 印刷物(本や雑誌等、グリーティングカード含む)
  • 小形包装物 (SMALL PACKETと表記する必要。国際eパケットというサービスで送る場合は記載する必要はありません)
  • Dメール・Pメール (大量に出す時にお得・取り扱い店に注意)
  • 点字郵便物 (無料!・点字のみ)
  • 特別郵袋印刷物 (専用の袋に印刷物をつめて30(20)キロまで同一住所に送れる・取り扱い店注意)
  • 国際郵便料金受取人払(IBRS/ はがき・手紙 / 100通以上から)

それぞれ詳しくはこちら
https://www.post.japanpost.jp/int/service/index.html

小形包装物 

通常郵便物の中で、定形郵便以外の大きさのものはこの小形包装物の規格が適用されます。
https://www.post.japanpost.jp/int/service/small_packing.html
大きさ:
  • 最大 縦+横+高の合計が90cm以内 (2mmの誤差は許容されます)、かつ最大の長辺が60cm以内、かつ2kg まで
  • 信書は同封できません。
  • 最小 長さ 14cm かつ幅 9cm以上
  • 巻物の場合 最大 長辺が90cm以内 かつ 直径の二倍 を 長辺に足した長さが104cm以内。つまり最大のもので、直径が7cmで長辺が90cmのもの。
  • 巻物の場合 最小 長辺+直径の二倍が17cm以上 かつ 長辺が10cm以上であること。 つまり最小は 直径が3.5cm以上 で長辺が10cm以上あること
保険:
  • オプションで書留がつけられるが保険は付けられない。書留の補償限度額は6000円まで。それ以上の額の補償の保険はつけられない。


国際小包郵便物

https://www.post.japanpost.jp/int/service/i_parcel.html
  • 荷物(小包)を取り扱いします。
  • 信書は同封できます。 参考 https://www.post.japanpost.jp/int/question/54.html
  • 航空便、SAL便、船便に対応。
  • ほとんどの国が30kgまで。国によっては10kgまで。
  • 荷物を、国際小包として航空便で送る場合、EMSの方が、安くて早く到着します
EMS の方が早く、安く、送れて、なぜ国際小包がまだあるのだろうかと疑問かと思われるかもしれませんが、国際小包では、SAL便、船便が選択できますので、安く送ることができます。


例:30kgの荷物をアメリカイリノイ州へ送りたい。それぞれの料金は、
EMS 36,500円 所要時間3日
航空便 36,650円 所要時間5日
SAL便 26,550円 所要時間2週間前後
船便 13,750円 所要時間2ヶ月前後


だいぶ料金が違いますね。

ちなみに所要時間はあくまで目安です。

私の経験では、EMSで最速は4日でした。船便は、あくまで、最速2ヶ月という意味です。2ヶ月から半年と思っておきましょう。船便は非常に遅く、追跡番号はあっても、到着の日がまったく読めないので、自分や家族宛てに海外へ(から)送るときに使うということには便利です。

追跡番号がない船便は最安ですが、本当に忘れた頃に届きます。番号がないので紛失してもわかりませんね。

また、国際小包では、EMSが対応してない地域へ荷物を送りたい場合は、国際小包しか方法がありません。
例;米軍の APO FPOアドレスには、EMSでは送れません。ネットを調べてみると、インターネットオークションやeコマース等で商売している人は軍用のアドレスへ送っているみたいですが、ほとんどの人は送ることがないでしょう。


※私個人としては、日本国内の米軍基地へ荷物を、米軍関係郵便物として送ったことがあります。海外発送扱いのようですが国内料金で送れます。一旦、郵便局の東京国際支店へ集められ、米軍が回収して配達されるみたいです。
ベテランの郵便局員の人が対応してくれたのですが、初めて米軍関係郵便物を扱うとのことで、本部に電話で確認しながら手続きをしてくれて、30分ほど待たされた記憶があります。向こうもかなり迷惑だったでしょう。ちゃんとレシートに米軍なんとかと記載されていました。

ヤマト国際宅急便

郵便局以外の方法で、その他民間の業者が提供しているサービスの中で手頃なのが、ヤマト運輸の国際宅急便です。


留学・引っ越し・別送品に特化したサービスもあり、ヤマトも力をいれています。
国際物流に長けた、アメリカのUPSと提携しているので、非常に安心です

郵便局以外の会社を使うメリットとして大きいのが、通関業務を代行してくれる点です。
郵便局でも、20万円以下の品は、簡易通関でそれほど手間取るものではありませんが、上記したように、EMS  のように他業者に引き渡されるケースや、国によっては受取人が、税務情報などの情報を税関に提供するまで保管されてしますケースもあります。
しかし、ヤマトなら一貫して、配達までやってくれるので非常にスムーズです。
注意点は、以下の国は、法人以外の依頼は受け付けていません。
  • アジア - 中国・フィリピン・モンゴル・インド
  • 北米・中米  - カナダ・メキシコ
  • 南米     - アルゼンチン・パラグアイ・ブラジル・ベネズエラ
  • ヨーロッパ  - ポルトガル・ロシア
  • 中近東    - カタール・サウジアラビア

また、利用可能な地域であっても、全域は配達してくれません。
カスタマーサービスに電話で、届け先の郵便番号を伝えて調べてもらいましょう。
国際宅急便サービスセンター   - 0120-5931-69

料金体系
郵便局は、規定サイズまずあり、重量別に小刻みで料金が変わりますが、ヤマトの場合、国内の宅急便と同じような料金体系です。
書類パック B4以内  1kg以内
60サイズ 2kg以内
80サイズ 5kg以内
100サイズ 10kg以内
120サイズ 15kg以内
140サイズ 20kg以内
160サイズ  25kg以内

例えば、アメリカ宛ての荷物を、EMSで、80cmサイズで5kgの荷物を、郵便局で送ると8700円です。しかしヤマトだと、4650円で送れます!しかもEMS 並みのスピードで。
上位の適応サイズに切り替わるギリギリ、例えば、5kgや10kgなどの、節目の重量の荷物を送る時にお得度がマックスになります。

どういう場合におすすめかというと
  • 税関が手間取る国に送る時 (イタリア・スペイン・ドイツ)
  • EMSでトラブルが多い国へ送る時。(イギリス、フランス)
  • 郵便事情が悪い国。(新興国、イタリア)
注意点として、
一つの送り状につき、20万円しか補償してくれないので、それ以上の補償を求める場合は、郵便局を使うか、個別で保険を契約するか、DHLを使うに限られてきます。


国際宅急便商品ページ
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/services/oversea/
国別ガイド
http://date.kuronekoyamato.co.jp/date/Main?LINK=WT
  


国際宅急便別送品


別送品が送れます!


※別送品・・・自分宛の国際荷物 例えば、スーツケースに入らない、身の回り品・土産品などの荷物。申告金額が20万円以下は免税になる。酒たばこ等は別に計算。商業目的の利用は不可。

※ちなみに日本の郵便局で別送品を送る場合は、別送品(Unaccompanied Baggage)と書きます。そして自分が帰国・入国時に、別送品申告書に確認印をもらい、荷物が届いた時にその種類を提出する必要があります。居住している国のガイドを参照してください
https://www.yamatoamerica.com/cs/international-ta-q-bin/international-ta-q-bin-separate/

留学宅急便

留学先に持っていきたい荷物を送ることができるサービスですが、国際他急便別送品で送る場合との違いは、別送品は帰国時、留学宅急便は、元払いのみで日本から海外という点や、本人入国後でないと配達できない点や、利用可能地域に違いがありそうです。
また別送品はドル建てで支払うようです。そして別送品はカナダ、アメリカのみのようです。
http://www.y-logi.com/service/kaigai/service/ryutaku/index.html

海外引っ越しのサービス

海外へ移住するあるいは、海外赴任のために引っ越しする際に利用するものだと思いますが、移住する場合は、スーツケースで運ぶもの以外、基本的に現地調達なのかなと察しますが、お気に入りの食器、本、服等を運ぶ場合に使うのでしょうか?
留学便との違いは、留学宅急便は航空便、引っ越しらくらく海外パックは航空便と船便、それ以外は船便のようです。
http://www.y-logi.com/service/kaigai/service/index.html

補償・保険について

補償についてはこちらを一読ください
国際郵便の損害賠償制度
https://www.post.japanpost.jp/int/service/damage.html


  • 書留
書留はオプションのサービスの一つで、通常郵便物につけることができます。国際小包の場合、書留は付けられず、代わりに保険が付けられます。
※ちなみに特別郵袋印刷物のカナダ・アメリカ宛ての荷物には書留はつけられません。利用する人は非常に少ないと思われますが。。。
書留の補償限度額・・・・6000円まで、不着・紛失の場合は、送料が別途補償されます。
特別郵袋印刷物(カナダ・アメリカ以外)の書留の補償限度額は30,000円までです。

  • 保険付
保険付は、オプションサービスの一つで、国際小包と手紙のみにかけられます。
補償限度額は、EMSと同じで200万円までです。
保険付の料金は、小包の場合400円、手紙の保険付きは460円です。以降、+50円で、2万円刻みで200万円までです。

国際小包にもデフォルトで、損害賠償金額が、重量別に定められています。
国際小包の損害賠償金額
5kgまで 11,160円
5kgから10kgまで 15,170円
10kgから15kgまで 19,190円
15kgから20kgまで 23,200円
20kgから25kgまで 27,220円
25kgから30kgまで  31,230円

保険付のオプションを選択した場合は別途、その範囲内まで補償されます。
例;4万円の内容のもので重量が5kg以内であれば、国際小包で、2万円の保険をつけた場合、31,160円まで補償されます。送料は別途補償されます。

※ちなみに数年前まで速達というオプションがありました。

ヤマト:
一つの送り状(ここでは発送伝票の意味)あたり、20万円までです。ただし、品物の価格が明記されていない場合は、1kgあたり 19 SDR です。(2895円 2019年1月26日現在)


※ちなみにSDR (Special Drawing Rights)とは、特別引き出し権と呼ばれるIMFが発行している想像上の国際準備資産です。想像上の通貨みたいなものです。2019年1月26日現在152.40円です。
ドル・円・ユーロ・ポンド・人民元で、1SDRあたりにそれぞれの通貨の構成比に応じた、それぞれ一通貨あたりの価格を足し合わせたものです。特定の通貨の価値に依存しないというメリットがあります。

佐川:
一つの送り状あたり、20USDまでとなっています。高額な荷物の発送は貨物海上保険を付保することを推奨しています。 
※佐川は補償額、発送地域、料金を鑑みた場合、佐川でしか送れないという場合以外は(そういう場合は思いつきませんが)おすすめできません。

DHL:
 運送保険は貨物の価格と同額を補償してくれます。料金は、2500円あるいは、付保する金額の1.2%のいずれか高い方が適用されます。
例えば1億円のものを送る場合の保険料金は、120万円!です。

もちろん保険会社の外航貨物海上保険(船便・航空便また途中の陸路も補償)を契約することもできますが、個人で利用する人はなかなかいないでしょう。またそもそも個人で契約できない可能性があります。会社を通して契約する必要があります。

東京海上日動
外航貨物海上保険  https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/hojin/marine_site/kamotsu/gaiko/

三井住友海上
外航貨物海上保険  https://www.ms-ins.com/business/cargo/gaiko/

荷物の内容で選ぶ

たいていのものは、荷物というくくりで、小形包装物、小包、EMSとして送ることになりますが、特定の品目に関しては、専用の発送方法があり、少しだけお得です。

信書を送る(手紙・請求書・契約書・許可証など)

手紙・契約書・証明書などの信書は、郵便局でしか送れません。また、EMS・国際小包以外、荷物に信書を同封できません。
したがって信書のみを送る場合は、
  • 手紙(定形・定形外)
  • EMS (書類)
で送ることになります。
定形のサイズは 
  • 長辺14cm から 23.5cm 
  • 短辺9cm から 12cm
  • 厚さ1cm
  • 50gまで
SAL便は、手紙を送る場合は利用できません。
定形外のサイズは小形包装物のサイズと同じです。(↓の小形包装物のセクションをご覧ください)
ただ中身は手紙である必要があります。

また、定形サイズを超えてしまうバースデーカード・クリスマスカードなどの慶弔用のカードを送る場合、"Greeting card", あるいは、 "New Year's card", "Xmas Card", "Birthday Card"と記載または、窓口の人に口頭で伝えることで、定形サイズの料金で送ることができます。

グリーティングカード (船便/SAL便は利用できません)
https://www.post.japanpost.jp/int/service/greeting.html


信書以外の書類を送る場合は、
ヤマトの書類パック(B4以内・1kgまで、US宛て1200円)も使えます。規格サイズ以上の書類は荷物になります。ある程度の量の書類を送る場合、普通の宅配便で送るより安く、早く送れます。(アメリカ宛てEMSでも最低2000円/500gまでですから)

  • 本・カタログ・雑誌
これらのみを送る場合は、印刷物という特定の発送方法が使えます。要は、印刷物を定形外郵便として送る場合に特化したお得版です。CDやDVDは使えないところが、ゆうメールと違う点です。(ゆうメールは国内のみ)
手書きのものは不可です。手紙かEMSの書類として送りましょう。

もちろん小形包装物やEMSでも送れます。
製本された書籍や冊子は密封で送ることができます。
それ以外は、中身が確認できるように開封できるようにして、梱包する必要があることと、梱包後 ”Printed Matter”  もしくは "Imprimé" と記載する必要があります。 おそらく、信書ではないかの確認のためですね。法律違反になりますから。

それらが嫌なら、小形包装物、あるいは eパケット(ライトを含む)で送りましょう。繰り返しになりますが、信書は、手紙かEMSで送りましょう。
印刷物
https://www.post.japanpost.jp/int/service/printed_matter.html


梱包

海外へ発送する荷物の梱包をする際は、基本的にダンボール箱を使用することが基本ですが、小さいものだったり、小形包装物の許容サイズの限度に合わせる場合、箱を使わないで発送するケースもあります。
ヤマト運輸の梱包ガイドが役立つかもしれません。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/customer/send/preparations/packing/

必要なもの & あればいいもの
  • ダンボール箱 (スーパーで入手、あるいはDIYショップで購入)
  • ダンボール板 (箱を使わない際に土台として)
  • 気泡緩衝材・エアシート (いわゆるプチプチ)
  • ストレッチフィルム (梱包ラップ)
  • 新聞紙 (緩衝材として)
  • その他 (ウレタンやスポンジで緩衝材として活用できそうなもの)
  • 大きい封筒 (角形1号がいい)
  • 封筒で入らない場合、クラフト紙
基本的には箱に入れて、緩衝材を入れて、フィルムでぐるぐる巻き(水濡れ対策)が基本形ですが、箱を使わない場合、ダンボールで覆ったり、プチプチをふんだんに惜しげも無く使って耐衝撃性をつけます。そしてプチプチを固めるためにフィルムでぐるぐるに巻きます。
梱包テクニックについては個別に記事を書きます。

注意点
  • 荷物取り扱いは、国内の配送と比べて雑になる可能性があります。
  • ある程度の落下の衝撃に耐えられるよう緩衝材を隙間なく入れることが重要です。割れ物は等に注意。品物同士がぶつかって損傷することにも注意。
  • 水濡れ対策も必須です。
  • 壊れ物の場合、気休めではありますが、見えるところに、"Fragile" と書いておきましょう。ちなみにFragile という語は、ラテン語起源の語ですので、フランス語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語でも文字で通じます。微妙に変化しますが。また別の表現もあるようです。
  • 食品の入っていた箱を使う場合は、食品の文字が隠れるようにクラフト紙で覆いましょう。場合によっては、食品が入っていると思われ、税関で足止め・返送をされてしまいます。(私は一回もありませんが)
  • 高額商品、あるいは人気商品、例えばiphone等はパッケージから推測できないようにしましょう。盗難リスクを抑えます。
  • 梱包しすぎで、料金が高くならないように、計りで計測しながらやるといいでしょう。

宛先の書き方・ラベル記入・ネットでラベル印字/伝票作成

直書き・ラベル記入


EMSラベル









書留専用ラベル (手紙以外の通常郵便物)









国際小包専用ラベル






荷物の外装に、宛先を記入する他に、ゆうパックのように専用ラベルを記入して貼り付ける方法もあります。
郵便局で入手できるラベル:
  • EMS専用ラベル (書類用のラベル封筒も売ってます)
  • 国際小包ラベル
  • 通常郵便物書留用ラベル

以上の3つになります。
通常郵便物で書留をつけない場合は、直書きになります。また、直書きでも書留として送れます。その場合、"Registered" というスタンプかシールを貼ってくれます。また、追跡番号のシールも貼ってくれます。書留専用ラベルの場合は、ラベル自体に付いているので必要ありません。

宛名・ラベルの記入・記載方法はこちらの記事を参考に








マイページサービスを使い発送伝票を作成する




私が海外発送をはじめた当初は、小形包装物の航空便の場合は、手書きで宛名を書き、本以外は、必要事項(品物名・価格・数量)を記入したCN22のシールを貼り付けて発送していました。
発送頻度が増えた今は、郵便局のマイページサービスで伝票を作成して、プリンターでコピーして作成しています。文字の上手い下手に左右されず、見やすく、不着などのトラブル防止にもなるからです。なので頻繁に送る方はマイページサービスをおすすめしています。
ちなみに、EMSラベルの印字サービスもやっています。EMSのラベルとは、郵便局で入手できる水色とオレンジのラベルです。必ず、専用のパウチ(ビニールの袋)が必要なので、ネットで請求してください。無料です。

注意点
  • 追跡番号をつけない郵便物、例えば、手紙や印刷物や小形包装物は作成できません。必ず、追跡番号をつける発送方法でないと、伝票を作成できません。つまり書留付き小形包装物・印刷物・EMS(書類・荷物)・国際小包になります。
  • 書留つき小形包装物を希望する場合、必ずeパケットを選択することになります。
  • 書留付きの印刷物の場合、航空便のみ作成できます。
  • 国際小包の場合は、航空便・船便のみ、伝票が作成できます。
国際郵便マイページサービス
https://www.int-mypage.post.japanpost.jp/mypage/M010000.do

マイページサービスを詳しく画像つきで紹介したサイトが山ほどありますので、”マイページサービス 登録”と検索してください。



国内発送と違う点は、手紙以外は、必ず税関を通過するということです。

そのため、税関告知書(CN22/CN23)・インボイスの有無が品物の内容・価格によって変わります。

ヤマトで送る場合は、専用の発送伝票に複写で記載されるようになっていますので、発送伝票だけでかまいません。通関もお任せですので。

またEMSの発送ラベルには税関告知書(CN23)が二枚複写されるようになっております。商品ではない荷物を、留学先・海外赴任先の家族に送る場合はインボイスはいらないので、ラベルだけで大丈夫です。(アメリカ)

しかし、内容品によっては(例えば高価なもの)、国によっては、必要になる場合があります。また税関告知書が3枚必要な場合もあります。
その場合、郵便局で、インボイスやCN23の雛形とそれをいれる袋(インボイス納入袋 - 無料)をもらい、荷物に貼り付けて発送しましょう。


インボイス納入袋
https://www.post.japanpost.jp/int/ems/service/package.html



窓口の人もわざわざ必要枚数等を教えてはくれないので、事前に必要書類を郵便局の国別情報のページから調べておく必要があります。
国別情報:https://www.post.japanpost.jp/cgi-kokusai/index_ja.php



こちらの早見表が便利です。



EMSの発送に必要な書類:
https://www.post.japanpost.jp/int/use/document.html








無難なのは、マイページサービスで作成することですが、そうじゃない場合でも、インボイス3枚CN23を3枚でどの国にも通用します。

わからなかったら、インボイス3枚、CN23も3枚、計6枚と覚えておきましょう。それだけで50gぐらい重くなりますが。。

コピーで複数枚作成するときは、署名部分がコピーにならないようにしましょう
ちなみにCN23はCN22も兼ねていますので、少額のものに対しても、CN23で通用します。

ちなみにアメリカ宛てに商品を送る際も、インボイスはいらず、専用ラベルだけで送っていました。通用していた理由は、おそらく、CN23が2枚付属しているので、インボイスとして機能していたと思われます。





ただ、通常は商品を送る場合は、必ずインボイスをつけましょう。 
例えば、ラベルのみでヨーロッパやタイ、マレーシアに発送した時に、受取人にインボイスが必要だという連絡がいき、Eメールで添付しなければならなかったことが数回ありました。必ずではないのですが。 


東南アジアに赴任している家族へ荷物を送る場合は、注意が必要です。たとえ商品ではなくても、インボイスをつけておくと、トラブルに遭遇する機会を減らせます。

税関告知書(CN22、CN23)



CN23



CN22









税関告知書について
https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/customs.html
税関告知書は、内容品の金額により、作成する税関告知書が変わります。
  • 300SDR以下の場合はCN22 。1SDRは2019年1月現在150円ぐらい。
  • 300SDR以上の場合はCN23
  • 郵便局で税関告知書CN22 をもらってください。CN22はダウンロードなし
  • CN23も窓口でもらえますが、ダウンロードもできます。こちら https://www.post.japanpost.jp/int/download/customs.html
  • ダウンロードできるファイル形式がWindows Excelのファイル形式ですので、専用のソフトが必要ですが、Macでも、無料でグーグルスプレッドシートを使うことで、webブラウザで開いて編集することができます。たまにファイルがおかしくなる場合もあります。 Google スプレッドシート   https://www.google.com/intl/ja/sheets/about/


CN23、CN22は郵便局でもらえます。CN22はシールタイプで、CN23は用紙です。間違えてもいいように複数もらいましょう。またCN23は入れる袋(インボイス納入袋でOK)も、もらいましょう。







また、送る品目が多く、内容品記載欄に書ききれない場合は税関告知書補助用紙をダウンロードして記入しましょう。けっして抽象的な書き方をして収めようしないでください。
https://www.post.japanpost.jp/int/download/customs.html

インボイス


 インボイス雛形







送り状と呼ばれていますが、発送伝票のことではありません。

本来インボイスとは、貿易での取引で使われる重要な書類を指す言葉です。
ここで紹介するインボイスとは、税関を通過する際の課税・輸入の可否を判断するものの書類です。

決まった形式はありませんが、記載する項目は以下の通りです。記載言語は英語が基本です。送り先の公用語でもいいですが、英語でいいでしょう。

ちなみにインボイスはパソコンで作成したものが好ましいですが、郵便局で雛形をもらってそこに記入でもかまいません。(丁寧に記入)

ちなみに雛形をもらった際は、それを記入しないで、家のプリンターなり、コンビニなりで、複数枚印刷して持っておくと、次回の発送の際にもらいに行く必要がありません。
雛形無しに、白紙からすべて手書きはおすすめできません。通用しない可能性があります。

  • 発送する具体的な品目名・数量・価格・重量
  • 商品・商品見本・贈り物・身の回り品・書類・その他から適切なものを選んで記入してください。
  • 複数の品目の場合は、品目別の数量・総額も必要
  • 価格を記入の際は、通貨の種類、例えばJPY、USD等をつけてください。
  • 発送人の住所・電話番号
  • 受取人の住所・電話番号
  • 作成年月日・作成地(Japanでしょう)
  • 追跡番号
  • 発送方法(国際小包ならParcel post、EMSならEMS、その他はInternational mail)
  • そして手書きの署名


以下のページを参考してください。

インボイスについて -日本郵便 https://www.post.japanpost.jp/int/use/writing/invoice.html


インボイスフォーマットのダウンロード -郵便局
https://www.post.japanpost.jp/int/download/invoice.html

ファイル形式が、エクセルの形式ですので、MacやChromebookの方でソフトがない方は、グーグルスプレッドシートで開きましょう。
Google スプレッドシート-   https://www.google.com/intl/ja/sheets/about/







インボイス- ちなみに
これは余談なので読み飛ばしてもらって結構ですが、インボイスは複数種類があります。
個人の副業での海外発送のようなものでなく、法人間で、高額な物品を輸出入する際、あるいは特別な許可が必要な際に必要なインボイスが複数あります。
国内でも、見積書を送り、請求書を送り、品物と納品書を送る、という順番で取引がすすめられると思いますが、そのようなものの国際バージョンだと思ってください。

本来インボイスとは、通関の際に必要なものをだけをさすのではありません。国内の物品の取引に使う際の請求書、納品書等もインボイスと呼ぶことができます。

英語でいうとbillと言い換えることができます。
bill 、その意味するところは、請求書、明細書、見積書、納品書、課税の際の資料等を指すと思いますが、それらは見方や状況によって呼び名・概念が変わるので、単に請求書というよりはそれらを含めた意味での上位の概念として、送り状が正しい訳という気がします。
※ちなみにbillには、法案、手形、証券、札、100ドル札という意味にもなります

  • Commercial Invoice (商業インボイス)
日本でいう請求書、荷物の明細書、輸出入申告に必要。通常、郵便局で発送の際に使うのはこの商業インボイスの範疇に入ると行っていいでしょう。税関用インボイス(Customs Invoice)としても兼ねますので。
ビジネスで使用されるインボイスでは、支払いの請求先や小切手の発送先や値引きの有無、クレジットカードの可否、遅延の際の違約金も記載する場合もあります。


  • proforma Invoice (見積インボイス)
日本でいう見積書で、輸入申請を相手がする際に必要となるもの。売買契約前に必要。
記載事項は上記の内容を書くのですが、扱いとしては、実際に商品を送る前、つまり売買契約が発生する前に送るものです。仮のものなので、仮送り状ともいいます。
日本では法的効力を持たないので、通関用の書類にはなりえませんが、輸入先の国が、物品の輸入の事前許可を得るために必要とされる場合があるので、取引先から事前に提出をもとめられる可能性があるものです。個人間の輸出入で必要とすることはまあないでしょう。
契約書によっては、発送前の支払いが全額でなく、物品の実際の受け渡しをもって、残りの支払いが行われる場合は、商業インボイスでなく、見積インボイスが使用される場合もあります。

ただし、国や送る財の価格・数量・相手国の輸入許可の必要かどうかによっては、通常のインボイスに加えて、見積インボイスが必要になる場合もあります。
EMSの発送に必要な書類:
https://www.post.japanpost.jp/int/use/document.html





手紙・印刷物のみを発送する場合

基本的に宛名は手書きです。パソコンで作成したのを透明なテープ(OPPテープ)や糊付けでもかまいません。保険付き書状は税関告知書が必要です。


こちらを参考にしてくでさい。

国際郵便の宛名・ラベル記入方法



印刷物は、書籍のみ密封が許されます。

課税対象になる印刷物(例えば、商品)は税関告知書の添付が必要です。おそらく高額なものではないと思いますのでCN22(価格・数量を記入)のシールを貼るだけです。
印刷物はどのようにして差し出せばよいのですか?
https://www.post.japanpost.jp/int/question/4.html


窓口 or  集荷

集荷
EMSで発送する場合、1個から集荷してもらえます。方法はインターネットを利用したWeb集荷サービスを利用するか、電話で来てもらいます。
Web集荷サービスのお申し込み
https://mgr.post.japanpost.jp/C20P02Action.do;jsessionid=5pLTbCZGy8S1pYmNTLqWymGtgvFhLKGybyG7wpxXb2596TntbG1b!-1199084814?ssoparam=0&termtype=0#




料金後納契約をしている場合は、EMS・小包の集荷もしてくれます。
※2018年7月からその他郵便物(eパケット・印刷物 など)は集荷しないようになりました。
なので、基本的に、窓口へ出向いて発送することになると思います。




窓口
宛名を事前に記入してから持ち込みましょう。
2018年秋から、国際郵便の危険物申告書を記入するようになりました。多分窓口で言われます。言われなかったスルーでも問題ありません。(たまにある)
窓口で伝えることは、
  • 国際郵便であること
  • 発送方法とモード(小形包装物の航空便書留付きで、とか、印刷物のsal便、とかeパケット です とか)


注意点
  • 郵便局で宛名等を書くのはおすすめしませんので、事前に記入してから持ち込みましょう
  • 書留はつけたい場合は忘れないようにしましょう。追跡番号が載った控えをくれます。
  • わからない点は聞きましょう。遠慮無用。
  • 複数あるとそれなりに時間がかかり、後ろに長い列ができますので、レジみたいな機械が2つ以上ある郵便局に行くか、暇を見計らって行きましょう。結構迷惑になります。

長くなってしまいましたが、ホントは非常に楽チンなので、がんばってください。





あとがき

国際発送を扱う仕事を任されてから、 方法などをインターネットで調べてみると、国際郵便関係の記事を扱ったウェブがたくさんありました。しかし、1つのページで概要をつかめるものが無く、複数の記事を閲覧しなければならないことがしばしばありました。
私自身、仕事の関係で海外へ商品・ギフトを数千回ほど送った経験があります。今も年に数百件の荷物を送っています。かなり大型のもの、美術品、生物、危険物でもない限り、難しくもありません。案外ふつうに届くものです。
送料が重量(容積重量含む)によって高くなることと、国ごとに注意するべきことがいくつかあるだけです。
ただ、国内発送と違い、返送や紛失、内容品の損傷といったトラブルの頻度は増えます。発送前に、ある程度知識を知っておくことで、トラブルに合うことを少なくすることができます。
窓口の人は、国際郵便や国際宅配便に慣れていない方が多いので、発送人がある程度、通関や添付書類、その国の事情に関して知っておく必要があります。そうで無い場合、書類が足りないとか、発送後に知ってればよかったといったようなことがあるかもしれません。

窓口の方も慣れていないので、わからないから、あるいは、手際が悪いからといって、強くあたらないようにしましょう。