2021/05/29

Mac 一台でSerato DJ をプレイしつつ編集ソフトで同時録音する方法





今回は、Mac一台で、Serato DJ Proでプレイ中の曲を、同時に波形編集ソフトに録音するのをまとめます。あまりニーズが無いかと思います。

Mac が二台、あるいは別で PC があれば、ミキサーの外部出力から別のマシンへ繋げば、それで編集ソフトで録音できます。今回の記事の肝は、一台でやることにあります。


目的:

ミックスを事後的に曲単位で簡単に編集するため。

まずSerato DJ Pro (以下セラート) 自体に録音をする機能は付いています。しかし事後的に曲単位で編集することができません。

もちろん、内蔵の録音機能を使っても、クラブでのDJのように、ミックス自体の構想を細部まで練って、一曲づつ編集したのを使って、一発録りでやればできます。しかし後からアイデアが出てきて編集する場合、また一発撮りする必要があります。

もちろん一発撮りでの音量やイコライジングの一貫性の重要さは理解していますが、今回は、曲単位でガレージバンドなどの編集ソフトで編集していく方法をまとめます。

ちなみに、余談ですが、何回も一発撮りすれば、DJが上手くなるのは間違いありません。集中力も身につきます。昔はみんなそうでした。



セラートの録音ボタン



必要なもの

  • Mac or PC
  • ターンテーブル (あるいはCDJ またはコントローラー)
  • オーディオインターフェース内蔵のミキサー、あるいはスクラッチライブやDS1 などのデジタル・バイナル・システム (DVS)
  • オーディオインターフェース(これが重要)


すでにオーディオインターフェースは持っている人も多いかもしれませんが、オーディオインターフェース内蔵のミキサーを持っている人は、単体のオーディオインターフェースを持っていないという人もいるかもしれません。


ちなみにわたしが買ったのは、スタインバーグの UR22C

ミックス制作のみならず、スカイプやズームなどで、ダイナミックマイクをつないだり、DJ の曲を配信するときにも使っています。別にUR22Cでなければいけない、ということはありません。オーディオインターフェースの機能があれば問題ありません。(XLR接続などの端子はご自身の機材との兼ね合いで判断ください)





失敗編


まずオーディオインターフェースを使わないとどうなるかを御覧ください。
  1. セラートをmac で起動
  2. オーディオインターフェース内蔵のミキサーとUSB で接続(セラートと同期するため)
  3. ミキサーのマスター出力キャノン端子から、モニタースピーカーへライン端子に変換して接続(音を再生するため。セラートでは、mac 本体からはミックスの音が出ないことに注意。)

私の使っている パイオニアの DJ-M3 は、RCA端子のマスター出力・XLR (キャノン)端子のマスター出力があります。

これで、セラートでのミックスは使用可能の状態です。

次に、ガレージバンドで録音するために、マスター出力のRCA端子から、Mac mini の音声入力端子 (ヘッドフォン端子と兼用)に繋ぎます。ではどうなったか御覧ください。








セラートで流している曲の波形ではなく、信号バイナルのピーっという信号が録音されるだけになります。セラートからの曲はスピーカーでしっかり再生されているにも関わらず、録音されている音は、信号音になってしまいます。


方法

では、オーディオインターフェースを、ミキサーとモニタースピーカーの間に挟んでみましょう。同時にオーディオインターフェースからMacへ USB で繋ぎます。





そして、環境設定の「サウンド」で入・出力設定を変えます。





入力のタブクリックし、Steinberg UR22C を選択。この時に下の入力レベルで、ミキサーからの音が来ているかを、ゲージの振れで確認ください。


次に出力タブをクリックし、同様に、Sterinberb UR22C 選択。曲を、「ミュージック」でもレコードでもかまわないので、再生してスピーカからの出音を確認してください。




では最後に、ガレージバンド(他のソフトでもオッケ)を起動し、環境設定から入出力の設定をします。共に、 Steinberb UR22C を選択。



これで、録音可能です。

ガレージバンドのゲージを確認してください。音が信号音ではなく、セラートで再生中の曲がしっかり録音されていると思います。




ちなみ最初に言うべきでしたが、セラートとガレージバンドの同時起動は CPUを大きく使います。 クロームなどのブラウザを開いているとなおさら使います。 

私の mac mini は 6コアの3.2 GHz の i7 ですが、録音・再生を同時に行っていると本体が熱くなります。これ以下の CPU だと負荷がかかりすぎてしまうかもしれません。無駄なソフトは閉じておくといいかもしれません。


ガレージバンドで再生しながら、それに合わせて曲をつないでいくことももちろん可能です。

やり直しも何回もできます。しかし、ガレージバンドで再生側の曲のイコライザや音量はミキサーの側でいじることができませんので、あらかじめ、あるいは事後的に、マウスを使って音量やEQを絞る作業が必要です。このため、自分の耳を頼りに、ミックスの一貫性に注意深く配慮する必要があります。

また当然ですが、ガレージバンドで再生中の曲の BPM は表示されませんので、自分の耳を頼りに合わせてください。 

上でも述べましたが、DJ の練習のコツは、一発録りをし、それを聞いて、また録るの繰り返しでうまくなります。集中力も身につきます。つなぎでもカットインでも移行時のEQと音量には最大限の注意を払いましょう。DJ の力量が表れます。